本読み筋肉と野望もしくは切望

今週のお題「読みたい本」

歳を重ねて思い知ったことの一つ。本を読むというのはスポーツだ。

つまるところ、体力勝負。

長編にはもう手がのびない。読み始めても、かなり早い段階で読み終えてしまう、読み終わることができないから。

海外物もむずかしい。まずは登場人物の名前が、ぐるぐるぐるぐる、定着しない。

ミステリーでは、事件が起きるとすぐに謎解きのページへと時間を飛ばさないといられない。謎を解く過程まで付き合うと息切れしてしまうのだ。

となると、手元に残るのは短編集とエッセイと星新一

ちびちびと読み進める、読み返す。

それもとても楽しい時間ではあるけれど、欲がでる。

長編の世界の中で遊んでかえってきた身体は、海で遊んだ夏の日の夕方のけだるさを抱えて。

海外作品の中では、異世界をアリスのようにかけまわり。

ミステリーが染み渡ると、日常に隠れた落とし穴が、透かして見えるような。

知っているから、欲がでる。

なので、今、読みたい本は。

シャーロックです。ホームズです。

中学生のころにどはまりして、小遣いを数えて新潮文庫でそろえた一式。本棚の上のほうに追いやられているけど、まだ、そこにある。あれが読めるように、本読み用の筋肉を鍛えたい。原文で何て言いません。新しい翻訳は次でいい。冒険からでかまいません。

シャーロックと。ワトソンと。モリアーティ教授も。

彼らの世界を、もう一度、のぞいてみたい。

最後まで、一緒に、走り抜けたい。

どんな景色がみえるかな、、、