ずんずんずんで落っことす

8月。夏休みにも慣れが出て、お盆の気配が漂い始める頃。東京駅は殺気立つ。

新幹線ホームとかね。荷物か子どもの手を引いて、ずんずんずんずん、世の中すべてを押しのけて進む方々。ずんずんするたび、余裕がぽとぽと落ちていく。

荷物も子どもも、連れている状態で座れないとか厳しいよなあ、までは理解するけれども。荷物、他人にぶつけてますよ、とか。子どもさん、足がついて行ってないよ、とか。傍から見てると、みえるところもあるわけで。

余裕って大事。

出がけに連絡対応しなきゃいけなくなった、子どもがぐずった、電車が遅れた、急に出かけなきゃいけなくなった、、、いろんな事情がありましょうさ。だがしかし。

ホームで小走りになったとて、もう遅い。時期が時期だけに、ゆったり座って移動するなんて、ほとんど無理。指定席を押さえておくか、早めにホームで待ってるか。

予定を組み立てて、すき間時間を配置して、さらにすべてが計画通り進んだときに余った時間の過ごし方まで用意できれば、かんぺき。

移動を「旅」にみたてて楽しんでしまえば、荷造りも計画も娯楽になる。余裕があれば、何でも娯楽。日常の波がすべてを押し流そうとしても、紐付けて引っ張り戻して手元に置いておきたい。

飛び乗った新幹線の中で、汗だくなのにタオルがない、ハンカチもない、ってやっとでてきた予備のマスクで顔を拭いてると。しみじみとじわじわとしみ込んでくる。

ほんと、余裕って、大事。