人生と布団

お布団を捨てるタイミング、どうするか問題。

そもそも、布モノ、捨てるタイミングがわからなくて、雑巾にしよう、とか言い訳して、置きっぱになっている。なので、布団となると、途方に暮れる。

小学生より前から、ずーっとずーっとおんなじ布団を使っていて。カバーは何度も変えたけれど、本体はずっとそのまま。たぶん、私が生まれる前からあったんじゃなかろうか、というような年代物の布団。おそらくは誰かが作ってくれたんだろう、そうしてなぜか度重なる引っ越しにもついてくる、そんな布団。

ちょっと前から、部屋で。綿ぼこりがえらいことなってんなあ、とは思っていた。がしかし、心当たりがありすぎて、特に原因がある、とも思っていなかったのだけれども。布団を干して、気が付く。なんかおかしい。カバーをあけると。布団が、微妙にばらけてきていた。

なんというか、今までずっと一緒だったもんで、布団がばらけた状態、というのも初体験。でも、さすがに。これはもう修繕とかいうレベルの問題やん、、そんな技術、あるわけないやん。。

っていうか、綿がもりもろもろって。打ち直し、、とかではなくて、もう総とっかえ、って感じになるのではなかろうか。それもどうやるのかもわからないけれど。

愛着はある、そんな布団。けれども、ただでさえ、きれいではない(とても控えめな表現)お部屋に、さらなる追い打ち。。そもそも、いいのか、この布団。健康を害してもおかしくはない(特に今のところ何も起きていないけれども)気がする、し。

捨てよう。

とはいえ、今まで人生で一度も布団を捨てたことが、ない。布団て、捨ててもいいのか。。Tシャツ一枚も捨てれないのに。

ごみ捨てのガイドをさがしだして、しっかり読む。ひもで括って、指定日にゴミ捨て場に出しておけばよいらしい。

よし。できる。

布団を4つ折りにし、十字にひもをかけて、ごみの日を待つ。朝7時にゴミ捨て場にもっていったら、さようなら。。の、8センチ手前で。神が降りた。

曰く。それは、背もたれにちょうど良くないかい。

たしかに。座椅子もしくは、だめになるクッションが欲しいな、と企んでいたところであった。そうして、四つ折りにしてひもで括られた布団は。硬さも高さも背もたれにちょうどよさそう、だった。

まだ地面についていないから、セーフ。3秒ルール適用手前で連れて帰る。

壁際にポン、と置いて、もたれる。。。いい。ちょうど、いい。

さすがにこのままでは、、すてきな暮らし、は無理でも、年相応くらいの落ち着きは欲しい、部屋の中にも。

ひもをかけた状態で、背もたれにして、1か月。使い心地も、十分に確認できたし。

何とか、する、か。

いいかげんに捨てよう、と思いつつ部屋着の予備、として置いてあった高校時代の体操着(丈夫に作ってあるよな、、何十年前だよ)を布団に着せる。ぱんぱんになったけれど、これでしっかり形が決まる。2枚の体操着を左右から着せて、体操着棒の出来上がり。これで機能的には全く問題はないのだけれども。さすがに年相応の落ち着きとは、イスカンダルよりも遠い。そうして、つぎのごみ候補、破けた布団カバーを細工する。

布団カバーの破けた部分が内になるように縦半分に折って、上下をミシンでダーッと縫う。破けた部分が落ち着かなそうなので、さらに適当な模様っぽくなるように、がーっとミシンで遊ぶ。気持ちは刺し子。手縫いなんかできません、ずれなきゃいいの、そんなもの。体操着棒をカバーの上に置いて、サイズを確認。両脇を縫って返したら、体操着棒にかぶせて、出来上がり。ちょっとカバーが大きいけれど、ま、小さいよりは、縫い目に心配しかないからね。

でっかい枕にも見えなくもないけれど。よっかかっても、問題ない。とってもすてき(布団をひもで縛ったままよりは、たぶん、いいと思う)な、でかクッション。ものもちよすぎるやろ、が役に立つことがあるなんて。皆既日食並みのキセキがおきた。

だから結局。わたしは、まだ一度も布団を捨てたことが、ない。