逆恨み、でしかないけれど

先日の話ですけれども、消化不良を起こしているので、ここで成仏を目指したい。

自分の時間のほとんどを、いわゆるおひとりさま、ですごしていたとしても、片手で足りるくらいの友人は、いる。歳を重ねてますますめんどくさいところになってきている自覚はあるので、本当にありがたいことである、、というのは置いておいて。友人とのふたり飯。新宿の思い出横丁、とやらに行ってみよう、、と盛り上がり、日程をあわせていざ出陣、までにほとんど3か月かかった。。新宿駅で19時に待ち合わせ、ひさしぶりだねえええ、、と盛り上がりつつ、思い出横丁へ。せっまい路地に屋台風の飲み屋さんが並んでいて、若い人と外国人がいっぱい。彼女は、ちょっと屋台はハードル高いかなと思って、、とつるつると人混みをぬけて(はい、店の選定、丸投げしてました。。)2階にある餃子が売りのお店に入る。きょときょとしていると、店の奥に通された。

9割くらい席が埋まっていたので、よかったねえ、なんて言いあいながら、メニューをみて。ただ、どうにも残念なことに。ふたりともスケジュールの都合上、今日は、飲めない。。思い出横丁ツアーの日程までは確保したが、アルコール予定までは入れられなかったのだ。歳を重ねると、無理はきかない。。。とりあえず、喰うのだ、今日は。

最近餃子が食べたくてねえ、、とのたまう彼女、5人前の大皿餃子が気になるようで、はい決定。私も餃子は好物だ。あと、サンラータン。これも2~3人前と書いてある。よし、いこう。他の一品料理も、魅力的だけれども。ゆっくりしゃべり倒して喰い倒れたい今日は。追加注文を重ねるぜぃ、で合意。

「注文は1回、会計は2回」と書かれたベルを、チン、と鳴らす。と、タブレットを放り投げるようにわたされる、、若者が多いお店だと、元気がいいねえ、落とさんでよかった、、なんていいながら、注文を打ち込む。アルコール以外の飲み物の選択肢はあんまりないので、とりあえずあとで、ということになり。

10分ほどで、餃子到着。大皿にがっつりと乗った餃子に、テンションがあがる、、けれども。一口食べると、テンションは急降下。本格的な厚めの皮が、生っぽい。。彼女も首をかしげて、もぐもぐもぐもぐ。。うん、やっぱり、ちょっと火のとおりが悪いよね。。店に入ってから15分経つ頃には。なんとなくふたりとも話す言葉もなく、ひたすらに餃子と向き合う。この餃子、バランスが悪いのだ。ニンニクが効いているのは、いい。むしろ好きだ。でも、皮にたいして餡の量が少ないうえに、皮にしっかり火が通ってない、としか思えない、食感。

とはいえ、ひさびさのふたり飯、だし。と何とか気持ちを立て直し。近況報告を重ねていくうちに、なんとなくまた気持ちもあがってくる。餃子の違和感を押し殺して、何とか穏やかに箸と口を動かして。大皿も空になり。さらに近況報告を重ね。周りのテーブルをみながら、あれもおいしそうだね、、なんてやってるんですけどね。。サンラータンは、こないんです。。

餃子の皿が空になって、30分が過ぎても、何もこない。立て直した雰囲気が、またなんとなく冷えていき。45分すぎたころに。

「ごめん。。」と彼女が、言った。

いや、なんで謝んの。。。といいたいところではあるけれども、数少ない友人である。気持ちは、わかる。

ひさしぶりに、会って。話して。ご飯をたべる。この店を、その場に選んだこと。ふたりとも、初めての場所なのに。どんなとこかなんて、わかるはずもないのに。

謝んのは、彼女ではない。ぜったいに、違う。むしろ、私。。まったくわかんないところを、丸投げした私のほうが、どう考えても、わるいんだから。一緒に悩めばよかったのに、途中で投げちゃったんだから。。って。心の中では、さけんでるんですけど、そんなこと言ったら謝罪合戦になっちゃうから。

店を出ることにしよう、と提案。店員さんに確認すると、サンラータンはまだ作り始めていないとのことだったので、キャンセルし。餃子分を支払って、店を後にする。で、新宿駅に戻って、チェーン店にはいって。時間が許す限り、ずーっと。愚痴って、嗤って、笑って、別れた。

わかっている。たまたま、タイミングとかあるし。ましてや、ほかの店には全くかかわっていないけれども。それでも、彼女を嗤わせた、あの店は。あの場所は、許せない、から。

もう二度と、思い出横丁には、行かない。