カレーな、うつ

カレーライスが、好き。自分で作ったやつ。どんなということもないのだけれども、普通に安いルーを入れて作るやつだけれども、でもやっぱり、これがいい、と思う。そろそろ何とかしないとね、ってな作り置きと、しなびてきてるけど、ってな野菜と、冷凍庫から発見される、霜だらけの何か。つまり、一人分を自炊で賄おうとすると、どうしたってこうなる、ってなところの、冷蔵庫一掃、残飯処理な、カレー。

呑みきれなかったアルコールと、これだけは欠かせないニンニクとトウガラシ、その時の最安値のカレールー。鍋にぶち込んでがっつりと火を通せば、なんならコクの豊かなジャパニーズ家庭のカレーになるから、すばらしい。カレールー、海外で生活するとしたら、これもってこ、って毎回誓ってるから。

とはいえ、そこはやっぱり一人分の口しかないわけで。もうすでに丸二日、おやつとデザートまでカレーを食べている。今回も、鍋一杯分のカレーとなったから、な。どんなにおいしくても、カレー以外の何か、を求める、身体。残りのカレーは、小どんぶりに一杯。冷凍しても霜だらけの何か、にしてしまうのは、経験済み。冷蔵庫でならさらに三日はいける(あくまで個人の経験則です)ので、しばらくカレーでないもの、を。とは思っても、冷蔵庫の中はほぼ空。カレーになったんだから、そりゃそうだ。

それまでのぜんぶを、せいっ、て、捨ててみてから、1年と少し。何してもいい、しなくてもいい、てなことになってみたら。どこにもしばりがない、何とのつながりもない、からっぽ、か。ってな状況がこわくて。少しばかり足を出したり手を出したりしては、引っ込めてる。引っ込むとまた、こわくなる。ほそぼそとなら、暮らしていける。だから、もう。すきなもん食べて、すきなことしてればいい、はずなのに。やりたかったことってなんだっけ、すきだったことなんてありましたっけ、なんて、ぐだぐだ寝転がってるだけ自分ってやつは。はたして、モノを食べてもいいのんか、息をしててもいいのんか、そんでもって、この冷蔵庫に新たな食材を詰める価値は、あるのんか、なんて。

あほ、やん。あほ。

むずかしいこと考えて、頭のねじとびよった。亀でもカタツムリでもチンアナゴでも、なんでもいい。人でなくても、それでも、いい。とりあえず、もう一回、カレー、食べよう。そしたら、服を着替えて、お買い物。冷蔵庫一杯にして、またしばらくしたら、カレーを作ろう。