食欲と秋

今週のお題「急に寒いやん」

というほどのこともないけれど、暑くは、なくなった。

暑い、が、本当に熱くって、寒い、って言葉をそう簡単には選びたくない、と意固地になるような今年の夏だった。

やあああっとの、秋、到来。ありがたやあ、で。どっちにむかって拝むべきか、、ということで、温度計にむかって、合掌。。

まずのところ、秋となると空が変わる。お日さまは、勢いがやわらかくなって、少し距離を置いて見守ってくれてる、物分かりのよさげな教師、、ってなところか。雲は、自在に筆を走らせる、現代アートな芸術家になる。月も星も、なんなら夜景すら。ついさっきまでの夏とは様相を変えてくる。冬になるとまた一段と深まる、のだけれども。夏と秋では、コロッと変わる。まるで、一瞬で。その一瞬後になんなんなんと目に映るのが、秋を想わせる景色。冬支度の手前に、彩りをはなつ、、、なんてことも、気にはしてますけれども。

結局のところ。急に寒く(というか暑くなく)なって、一番にやって来るのが、食欲です。なんでも、なんぼでも食べられる。暑いと、食べるということすら、身体に負担がかかる。暑さゆえ。どうしても冷たいものを冷えたものを冷やすものをと選んでしまうのだけれども、直接的に身体を冷やす食べ物というのは、結構疲れてしまう。まあ、その辺はお年頃のせいかもしれないけれど。

食欲のマシマシは、おそらくきたるべく本格的な寒さに備えたい、という肉肉体の叫び。ヨロコビと共に迎える、食欲と秋。

人参の葉っぱを山ほど、70円という破格で手に入れた。間引きされた小指よりもほっそい人参に柔らかい葉がわさわさふわふわと束になる。ちょっと春菊のような癖があるけれど、それがとてもよいアクセントで。じゃこといっしょに炒めてじゃこのカリカリと人参の子どもが嫌いな要素を凝縮したようなクセを楽しむ。ふりかけのようにご飯にかけて。日本酒のあてに。

ちょっとはおるもの、と箪笥の奥から探し出す。日本酒はまだ冷やで、出来たてのにんじん葉とじゃこ炒めは、ほっかほか。

よしよし。。良い具合に、秋が来た。