かわいいの正義

世間様のカワイイは、どんどんどんとその幅を広げて、もう生きてても死んでても、そこに存在していなくても、カワイイでなんとかなるんじゃないか、ってとこまで行ってるような昨今。あえて。かわいい(でもひらがな)って言っちゃいましょう。

もみじのたね(たぶん)。

竹トンボのはねのような、うすみどり

涼しい、を一気に通り越して。肌寒くなった。もうちょっと余韻とか揺れるような季節感があってもよいと思わんかい、などと、ちょっと遠出したときに出逢ったみどりのもみじに同意を求めてみた。きっと切実に準備期間を確保したいだろうに、ヒドイ話よね。。なんて、わかった気になって。慰める、というか、そんな感じでじっとりともみじに(脳内で)はなしかけていたのだけれど。そのときに、見つけて。そうして、気が付いた。

ああ、これ、と。あなたの縁者だったのね、と。

何処でだか、、、なんか竹とんぼのはねみたいのが、くるくるくると落ちてきて、なんだろな、、なんて通り過ぎること、ないですかね。立ち止まることもなく、その時だけの。なんだろうな、さん。

もみじのたね(だと思われるもの)。出逢いのときは、いっつも先を急いでいて、まったくのところ通り過ぎるだけ、だというのに。それでもちっちゃなわたしの海馬に焼き付いてしまう、なんだか愛いやつ。

それが、こんなところに。濃いみどりのすき間で、頼りなげに揺れている。うすいみどりの、まるで竹とんぼ。

愛でるしか、ないだろう。。。

つまりは。くるくるくると旅に出たばっかり子に、出逢っていたわけだわさ。通りすがりで、なんなら踏みつけていたかもしれないけれども。。。

そうか。。こんなふうに、旅を待つのかい。。

親元を離れるときは、前しか見ていないから。後ろで見送る親が、どんな顔をしていたかは、知らない。何年かして、気が付く。あのときが、最後。離れたら、もう、戻れないって。

この子たちは、どんなタイミングで旅に出るんだろうか。。この、かわいい、は。旅立つもみじにとって、どんな武器になるんだろうか。。

かわいい、は。わたしにはもうとっくにかけらもない(何十年か前には、ほかの人の10分の1くらいはあったと信じたい。。)うえに、もみじの木ほども役に立たない生き様ですが。。でも、まあ。良き日々が待っていますように、と旅立ち前の子たちを寿ぐことくらいは、させていただきたい、です。

その時がきて。くるくるくるくるくる、と。優しい世界でありますように。