冬の「はじめました」

もち米とうるち米(普通のご飯のお米)を混ぜて、もちをつく。うちでは「ぼり」と呼んでいたけれど、さて、一般的にはなんていうんだろう。子どものころから我が家ではふつうにあったからあんまり気にしたこともなく、家の外で話題になることもなく、お店で見かけることもなく、、てなわけで。世間とのすり合わせはいまだになされていない。

祖母の代ではもち米とうるち米を半々で作っていたらしいが、母の代では6:4になっていて、少しもちが勝つ。私は6:4か7:3くらいで作ることにしている。もちと比べてどうなんだ、といわれると、まず、見た目は違う。もちにご飯粒が埋め込まれ、ちょっとごつごつしている、、優雅に例えるならば、さざれ石。

もちは丸餅もつくるけれど、ぼりは伸し餅でしか作らない。ぼりは焼いて食べるもので、煮たり揚げたりってことはないけれど、焼いたぼりを汁物に入れるのは、あり。基本的には、主食として扱うけどおやつ代わりにもちょうどいい、それがぼり。

味は、もちとそれほど変わりはない、と言い切ってよいのか悩むところ。もちよりもちょっと軽い感じがする、といいつつ2個3個と食べてしまって、まだいける。それも、ぼり。ぼりを食べる(というかつく)のは1月以外。1月はもち、と決まっている。昔からの習いなもんで、もちに正月を感じる。とはいえ、ぼりだからがっかり、、なんてことは一切ない。もちはハレでぼりはケってな風味はあるけれど、すみ分けは緩い。もちもぼりも、冬、のごちそう。

今シーズン初ぼりはちょっと遅れて12月の初めに。もちはあったかいとすぐにかびるけれども、当然に、ぼりも同じ。しっかり寒いな、、って感じてから、あったかくなってきたなまでの期間限定の、当たり前ごはん。というわけで、しゅたんっと張り出す、季節の告知。

ぼり、はじめました。