白黒率高し。
湿気がまとわりつくこの季節、人は白のTシャツと黒のパンツを身にまとうものらしい。
で、はっけん。
服装が似ているから似てくる人、というのは案外いない。
「さっきも見たかな…?」という人は、たいていの場合、同一人物である(と思う)。
例えば。
電車の中で、何気に並んで座っている白黒さん。印象がまるで違う、そんな時。
向かい側にそっと陣取る。ちらっちらとながめて考える。
何が、白黒さんを区別させるのか。
スマホに夢中なお二人。白無地のTシャツと黒のパンツ、白にイラスト入りのTシャツと黒のジーンズ。お顔の造作には大きな差異はない(と思う)、清潔感があるホモサピエンスで人種も同じと見える。座高、ほとんど同じ。性別は同じ、だと思う。髪は黒でショート。お手持ちのかばんはひとつで、色は白ベース。完全にひざ上と、肩にかけられているのと。
パーツごとの情報はとても似ているのに、片や人気者、片や非人気者オーラを放っている(まったくもって偏見に基づいたオーラです)。
不審者ではないことを自分自身に主張するために、スマホを操る、、ふりをしながら考える。じとーっと、視線で白黒さんを脳内にスクショして。
姿勢…か?
背中が伸びている、丸くなっている。足を自然にでも邪魔にならない程度に伸ばしてる、きゅっと内側にまとめている。肘が身体の外にある、内にある…。
白と黒。形は多少違っても。
シンプルで差が出にくい組み合わせなのに。それでも。身に着けているヒトの何かを、ばさりと切り捨てることはできないのかな。
白と黒。囲碁とかオセロとかパンダとか。
シンプルだからこその、際立たせる何かがあるのかな。
とりあえず、白のTシャツと黒のパンツで出かけるときは、気を付けよう。
絡みつくのは湿気だけではない。
かも。
※電車の中での記述は、あくまでたとえ話であって、現実ではない、といいなとか思っています。絡みつかれたことがあるとしても、それは、、、