植木等的な、だまっておれについてこい

遠出して用事を済ませて、たとえば身体がくたくただとしても。帰り道に商店街があれば、歩く足もほんの少し軽くなる。初めての街なら、なおさらに。先日は商店街でキャベツをひと玉、購入済みだった。エコバックに余裕はあるが、そこそこに重たい。しかしながら、ほとんどストックのなくなった野菜をおもえば、抱えて帰ろう。うちの近所で買うより3割は安いのだから。

しかしながら、そこから3分ほど歩いたところにあった八百屋さんで、さらなる運命の出会い。。やや小ぶりの大根が1本30円。。1本、いや大根は煮てよし炒めてよしのよゐこなのだから、ここは2本。エコバックから大根のあたまが出ているが、この大根の行く末を夢想するだけでもうきうきしてくる。肩に食い込むエコバックとともにさらに5分、もうすぐ駅、、というところで。大根1本と長ネギ2束で100円。なんてこった、この商店街は野菜の天国だったのか。。長ネギ、欲しいぞ。でも、大根はすでに2本あるがな、、いや、大根はよゐこ、何とかなるだろう。と。

エコバックからは大根(3)と長ネギがのぞく。電車はそれほど混んでいないかったので、座ることができたのだ。どん、とひざの上に乗せたエコバック。目の前には大根と長ネギ、太ももにめり込むキャベツの感触。電車の揺れに、商店街での高揚感が溶けていき、、疲れがどろどろと身体から滲みだしてくる。。このあと、乗り換え1回、最寄駅から家まで15分。エコバックの存在感が、どんどんどんと大きくなってくる。

そうして、家に帰り着いたら。玄関にエコバックをおろして、へたり込む。すでにこれ以上何をする気力も、ない。。ゴロンと倒れた3つもある大根のあたまと、その上に寄り掛かる長ネギの束をみて。そう、エコバックからはでてきていないけれども、キャベツもひと玉あるんですけれども。どうすんの、これ。ひとりよ、ひとり。。。

やっちまった、、、

商店街には、魔物が住んでいる。。幻惑系のやつよ、たぶん。つかれた旅人のHPを極限まで削るんよ。。

20分くらい、しょうもない言い訳を探していたけれども。ひとり、というのは、他に誰もいないということで。のろのろと大根を1本つかみだし、よっこらせと立ち上がる。1本はふろふきにしてくれよう。。あとの2本は、、長ネギは、、キャベツは、、

そのうちなんとかなるだろう。。